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トップ文房具豆知識>鉛筆の歴史

鉛筆の歴史と、豆知識
 

シャープペン、ボールペン、万年筆、などなど。現在では、様々な筆記具を手に入れることが出来ます。しかし、やはり筆記用具の基本といえば、「鉛筆」。残念ながら、今では学校でもあまり使われなくなり、日常生活でも手にする機会が少なくなってしまいました。しかし、今でも製図の図面を引く方、絵を書く方など、プロの方々にはご支持を頂いているようです。濃さ、硬さがシャープペンより豊富にあり、書き方によって線の様子を変えることができるのが魅力なのでしょうか。そういえば、皆さん、鉛筆の歴史ってご存知ですか


鉛筆の歴史は古く、1564年(永禄7年 室町時代)にイギリスで始まったと言われています。日本では、戦国時代真っ只中。織田信長が縦横無尽に暴れまわっていたころです。この時代の海外の一般的な筆記具は、「ペン」。いわゆる羽ペンですね。 古い時代が舞台の映画なんかを見ると良く出てくる、あれです。これは、インクビンのインクをいちいちつけて書くタイプのものでした。当然インクビンが不可欠で、持ち歩きには適さないものでした。しかも、紙とインクビンを行ったり来たりしなければならず、面倒で、インクをこぼしてしまうこともしばしばでした。

そんななかの1564年、イギリスの小さな山村に、ある羊飼いがいました。その羊飼いが仕事の最中に、地面に転がっているある鉱物を見つけたのです。石みたいですが、真っ黒で、こすり付けると黒い線が書けました。この鉱物は、自然に存在する純粋な「黒鉛」だったのです。普通なら、福原の投球フォームでそのままポイっと投げ捨ててしまう所ですが、この羊飼いの偉いところは、「これで字がかけるぞ!」と思いついたところです。おかげで、鉛筆の誕生の第一歩がここに踏み出されました!
しかし、石のような鉱物そのままでは、筆記には持ちにくいし、使いづらい。羊飼いが住んでいる村の人たちは、試行錯誤して、何とかペンのように筆記に適した形状に仕上げました。

 

 

 

こんな感じだったんでしょうか。
(あくまで私の想像図です。)

この頃の形状は、黒鉛を細長く切り、それを布や糸で巻いたり、細い板で挟んだりしたものでした。そんなものでもペンに比べてはるかに便利だったため、村人たちは首都ロンドンでの販売を始め、大評判を得ました。その後も鉛筆の便利さは、さらに評判を呼び、ヨーロッパ全土に広まっていきました。なかでもドイツのファーバーカステルは、創業者カスパー・ファーバーの手腕で、純粋な黒鉛に混ぜ物(硫黄らしいです)をして、初めて工業的に鉛筆の生産を開始しました。ファーバーカステル社によると、1761年(宝暦11年 江戸時代)のことだったそうです。

ファーバーカステルのこだわりの鉛筆、パーフェクトペンシル。

しかしこれでめでたしめでたし、とはいかなかったのです。原料を、自然に存在する純粋な塊の黒鉛に頼っていたため、200年もすると、手ごろな塊の黒鉛が不足してきてしまいました。人間、一度便利なものを手にすると、手放したくはないもの。今度は、不純物を含んだり、粉々の黒鉛でも、原料にして鉛筆の芯を作る方法を考えねばなりませんでした。多くの人々が挑戦する中、ドイツのファーバーカステルは、創業者カスパー・ファーバーの手腕で、純粋な黒鉛に混ぜ物(硫黄らしいです)をして、初めて工業的に鉛筆の生産を開始しました。ファーバーカステル社によると、1761年(宝暦11年 江戸時代)のことだったそうです。また、フランス人のニコラス・ジャック・コンテは、1795年(寛政7年 江戸時代)に粘土と、不純物を含んだり粉々になったりした黒鉛を混ぜ、高温で焼き上げる方法を考え出したのです。この方法は、思わぬ副産物を生み出します。粘土と黒鉛の混合比を変えることで、鉛筆の濃さ、硬さを変えることが出来たのです。ここに、ついに現代にも通じる鉛筆が誕生したことになります 。(コンテとカステル、どちらが先かには諸説あるようです)

日本ではどうだったのでしょうか?日本の筆記具は、ご存知の通り、長らく筆と墨でした。もちろん携帯には全く向かない筆記具です。しかし、アイデアマンの集合体の江戸時代ですから、筆と墨を持ち歩ける「矢立」という携帯用筆記具がありました。それでもやっぱり使いにくいことは変わりません。
江戸時代に徳川家康や伊達政宗が、オランダ人から鉛筆を手に入れていたようですが、あくまで献上品の類で、日常的に使用していたものではないといわれています。本格的に輸入され始めたのは明治時代になってから。輸入品ということで高価だったのでしょうか、使う人は少なかったようです。しかし、筆と墨よりも手軽で使いやすい鉛筆ですから、何とか国内で作ろうと、当時の人々は努力しました。若者をヨーロッパに研修に行かせたりもしたそうですから、その熱意は相当なものです。その人々の中に、真崎仁六(まさきにろく)という人がいました。この人がついに1887年(明治20年)、水車の動力を利用して鉛筆を国内で初めて量産することに成功し、広く世間に広まるきっかけを作ったのです。ちなみに、この真崎仁六は、「真崎鉛筆製造所」を創業し、その後、この会社は「三菱鉛筆株式会社」となりました。名前は似ていますが、岩崎さんとこの「三菱」とは、何の関係もありません。

※補足:
1974年(昭和49年)に伊達政宗の墓から発見された鉛筆が、国産の第一号、とする説があります。

日本の一般的な鉛筆の芯の硬度は、上図のとおり17種類ですが、三菱鉛筆では10Hから10Bまで、22種類をラインナップしています。さすが鉛筆のパイオニア!そして海外のメーカーでも上図以外の硬度を作っているところがあります。さて、記号の意味ですが、「H」の数字が大きくなるほど、芯は硬く、薄くなり、「B」の数字が大きくなると、柔らかく、濃くなっていきます。「H」はHard(ハード 硬い)、「F」はFirm(ファーム ひきしまった)、「B」はBlack(ブラック 黒)の頭文字から来ています。それぞれ、粘土と黒鉛の配合を変えることによって、作り出されます。ちなみに「HB」は黒鉛7:粘土3の割合です。

 

写真はトンボ鉛筆の「手作りえんぴつ屋さん」

こうして配合された芯は、細長く焼き固められて加工されます。そしてヒノキの仲間の木の板に数本のミゾを彫り、そのミゾにはめられ、もう1枚の板で挟み込まれます。その後、接着剤でくっつけられた2枚の板は、一本ずつ切り離され、整形されて鉛筆が出来上がります。写真の「手作りえんぴつ屋さん」では、この工程を手作業で体験することが出来ます。
一本の鉛筆で、ずうっと線を書き続けると、なんと50kmもの長さになるそうです。これはすごい。


現在では、黒鉛を使った筆記具のシェアは、圧倒的にシャープペンに奪われています。
何でかな?と考えてみたんですが、まず、削らなければならないこと。これが一番ネックでしょうね。鉛筆の他にナイフや鉛筆削りを持ち歩かなければなりませんから。あとは、一定の太さで書けない事とか、昔よりも字を細かく書くようになったとか、形が変わらないので飽きたとか、いろいろ理由は考えられますね。

でも、鉛筆は今でも立派に役立っています。鉛筆は、書き方や削り方で、多種多様な線を描くことが出来ます。これは、考えてみると、非常に便利なことです。今でも芸術関係の方や、デザイン関係の方、設計士の方が使っている、というのは、そのへんに理由があるのでしょうね。



形だって改良されています。ドイツのステッドラーが作った鉛筆、「エルゴソフト」は、カーブのついた三角形。一見しただけでは、なんとも使いにくそうですが、実際使うと、これが実に手になじむんです。六角形よりも安定して持つことが出来ますので、疲れも少ないです。
(写真は 『ステッドラー マルスエルゴソフト芯径2mm』)

 

エルゴソフトの詳細説明はこちらです
ご購入御検討の方はこちらへどうぞ
鉛筆削りはこちらに各種ございます

鉛筆の生産は減り、目にする機会も少なくなってきましたが、誰でも使う時代から、本当に必要としている方々に使われる時代へと移ったんだと思います。「鉛筆じゃなければだめなんだよ」という方々に使われるなんて、鉛筆にとっては、実はとても幸せなのかもしれませんね。

    

 

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